製造工程

水簸すいひ粘土ができるまで

鉱山から掘り出された土には、様々な鉱物や砂、石、木くずなどの不要な物が含まれています。これらの中から必要な粘土成分だけを取り出して、粒子を整え精製するのが丸仙陶器原料の役目です。
熱や化学薬品を用いて行う方法もありますが、土の優れた特性を最大限に生かせる「水簸」が、昔も今も多くの支持を集めています。

※固体が水に沈む速度に差があることを利用して、粒子の大きさを選り分ける方法です。

1日目
原料ヤード
原料ヤード
仕入れた原土(げんど)を鉱山別、鉱種別に分類します。安定供給を図るため、常に10数種をヤードに備蓄しています。
土選びは品質の要。色、艶、手触り、舌などで見極めて、オーダーにあう土を鉱山から仕入れます。
原料投入
原料投入
ホッパーの下部にコンベアがついており、上部から原料を投入すると定量で運んでくれます。
ご要望にあわせて、数種類の土をブレンド。どの土をどう配合するかは、当社の技術の一つです。
撹拌
撹拌かくはん
水と合わせてかき混ぜます。塊(かたまり)をほぐして均一の濃度にすることが目的。スラリー※の状態を見て水分を調整します。※粘土と水を混ぜ合わせた液状の混合物。泥しょう。
分級槽
分級槽
水簸を行うタンクです。不純物を全てタンク下層へ沈め、細かく良質な粘土の粒子の上層部だけを吸い上げて次の工程に進みます。
粒子が粗いものほど、速く下に沈みます。
ベテランの職人は、スラリーのうねりを見るだけで仕上がりが予測できます。
2日目
苦汁調整タンク
苦汁にがり調整タンク
スラリーに天然由来の苦汁(にがり)を入れて、粘土を固めます。※豆乳に苦汁を入れて豆腐をつくる原理と同じです。
スラリーの濃度はとても大切。
見て触って判断し、次の工程を選択します。
フィルタープレス(脱水)
フィルタープレス
(脱水)
ろ過布を巻いたプレート層にポンプで圧力をかけながらスラリーを注入。十数時間送り続けると中に粘土の塊が出来上がります。
3日目
ケーキ [完成品]
ケーキ [完成品]
ろ過布を外すと円盤状の製品に。1枚約15㎏。納品物のほとんどは、この形状で出荷します。
粒度の細かい土は口当たりがよく、チョコレートのように滑らかです。
原土の投入からケーキになるまで約3日

乾燥品をご希望の場合

乾燥棚
乾燥棚
夏は約2週間、冬は約1カ月程度、天日で乾かします。
加熱で乾燥させるより、太陽光でゆっくりと乾燥させる方が、粘土本来の性質を保つことができます。
原料投入
乾燥ヤード[在庫棚]
完成品を種別ごとに保管します。
撹拌
パッケージ
25㎏詰や30㎏詰など、お客様のご希望にそった形で納品します。